人間力コラム

優位なプレゼンテーションの進め方    11. 12. 20

前回のコラムで、プレゼンテーションは実施するときにはある程度の期待値が加味されて評価される
というお話をしました。

ちょっとスポーツの事例で考えて見ましょう。
最近日本人選手の活躍が目覚しいフィギュアスケート。見ている側はハラハラどきどきしながらも、ここ
ぞというところでジャンプを決めてくれると思わずガッツポーズが出たり、表現力に魅了されたりと非常に
見るものを惹きつけるスポーツではないでしょうか。
それを盛り上げる1つに、ショートプログラムとフリーという2つの演技の合計点で順位が決まるという採点
システムがあります。
いくら表現力が豊かで他の選手を圧倒する得意技があっても、前半のショートプログラムという規定演技
で高得点を得ていなければ、メダルに届かないという順位決定の仕組みはプレゼンテーションの評価に
非常によく似ています。

ではプレゼンテーションにおいて期待値が設定される要因とはどのようなものでしょうか。おおよそ次の
3つの場合が考えられます。

1.前回打ち合わせしたときの印象(初対面の場合)

2.これまでの実績や評価の印象(既に知り合いの場合)

3.会社や組織の印象

まず、初対面の印象をよくするためにはいくつかのポイントがあります。
ここで重要なのは、テクニックを学ぶのではなく相手がどのようにこちらを評価しているかという心理面
から理解することです。
「メラビアンの法則」というものをご存知でしょうか。
話し手が聞き手に与える印象の比率が次のように示されています。

・ 言語情報:7%(言葉で表現される話の内容)

・ 視覚情報:55%(外見・表情・態度・ジェスチュア)

・ 聴覚情報:38%(声の質感・話す速さ・声の大きさ・口調)

つまり人は「何を言ったか」で評価されるのではなく、「どのように伝えたか」が印象として評価されのです。
最近ではクールビズやウォームビズで服装がカジュアルになり、頭髪なども無精ひげや長髪がファッション
になっているようですが、初対面の人がそうした容姿を好ましく受け入れるでしょうか。
言葉遣いや態度に関しても、自分では普通だと思っていてもそれがどのように伝わっているかを自分で客観
評価することは非常に難しいものです。
これらの、視覚効果や聴覚効果を高めることが第一印象をよくするコツにつながるのです。

次回はその実践方法を解説しましょう。